犬の腹水とは?お腹がふくらむ原因と考えられる病気、受診の目安
体は痩せてきたのに、お腹だけがぽっこりふくらんでいる。そんなときは、お腹に水がたまる腹水かもしれません。この記事では、犬の腹水の見分け方と原因、受診の目安をまとめました。
- 腹水は、お腹の中に水がたまった状態。病気ではなく、ほかの病気のサイン
- 背中や手足は痩せているのに、お腹だけふくらむのが特徴
- 呼吸が苦しそう、お腹が急にふくらんだときはすぐ受診
犬の腹水とは?
犬のお腹の中には、内臓どうしがこすれないよう、もともとごく少しの液体があります。これが病気のせいでたくさんたまった状態が腹水です。腹水そのものが病気というより、心臓や肝臓などに問題があるサインと考えます。
腹水に気づくきっかけ
- 痩せてきたのに、お腹だけぽっこりしている
- 体重が急に増えた
- 息が荒い、横になるのを嫌がる
- 食欲が落ち、動きがゆっくりになった
- お腹を触ると張っていて嫌がる
少しの腹水は見た目ではわかりにくく、元気や食欲の変化で気づく飼い主さんが多いです。
腹水と肥満の見分け方
| 腹水 | 太った | |
|---|---|---|
| 体型 | 背中や手足は痩せ、お腹だけふくらむ | 全体にふっくらする |
| お腹の触り心地 | 張っている、水が動くような感じ | やわらかい脂肪 |
| ほかの様子 | 元気がない、息が荒い、食欲が落ちる | 元気 |
お腹がふくらむ原因は、腹水のほかに、妊娠、便秘、腫瘍、ホルモンの病気などもあります。自分で判断せず、気になったら受診しましょう。
腹水がたまる主な病気
- 心臓病 右心不全やフィラリア症で、血液の流れがとどこおる
- 肝臓の病気 肝硬変などで、血液中のたんぱくが減る
- 腎臓や腸の病気 たんぱくが体の外に出てしまう
- 腫瘍 お腹の中の腫瘍からの出血や炎症
- 腹膜炎 細菌感染や内臓の破れによる炎症
水がたまる3つの仕組み
| 仕組み | どういうことか | 主な病気 |
|---|---|---|
| 血液のたんぱくが減る | 水を血管の中にとどめる力が弱まり、しみ出す | 肝臓の病気、腎臓の病気、たんぱくが漏れる腸の病気 |
| 血液がとどこおる | 血管の中の圧が上がり、水があふれ出す | 右心不全、フィラリア症、肝臓の血管の病気 |
| お腹の中の炎症 | 炎症で血管から水がしみ出す | 腹膜炎、膵炎、子宮蓄膿症、腫瘍 |
仕組みによって治療の方向が変わるため、まず腹水の成分を調べて原因を見分けます。
関連記事犬の腎不全とは?急性と慢性の違い、初期症状と食事・暮らしの工夫すぐ動物病院に行くサイン
- お腹が急にふくらんできた
- 呼吸が早い、苦しそう
- 歯ぐきが白っぽい
- ぐったりして食べない
- 吐こうとしても吐けない(胃のねじれの可能性)
大型犬でお腹が急にふくらみ、よだれを流して吐こうとしても吐けないときは、胃拡張胃捻転症候群の可能性があります。数時間で命に関わるので、すぐ救急の動物病院へ向かいましょう。
腹水の検査と治療
超音波やレントゲンで腹水の量を確かめ、お腹に細い針を刺して水を少し取り、色や成分を調べます。血液検査も合わせて、原因の病気を探します。
治療は、原因の病気に合わせて行います。たまった水で呼吸が苦しいときは、針で水を抜いて楽にすることもあります。水を抜いても原因が治らなければまたたまるので、原因の治療が大切です。
- 家で針を刺して水を抜こうとしない(感染や内臓のけがの危険がある)
- 自己判断で食事や水の量を大きく減らさない
- マッサージや食事の切りかえは、獣医師に相談してから
水を一度に多く抜くと、体の負担が大きく、たんぱくも一緒に失われます。抜く量や回数は、超音波で確かめながら獣医師が決めます。
家でできることと予防
- お腹まわりのサイズや体重を定期的に測っている
- フィラリア予防を毎年続けている
- シニアになったら健康診断を年に1〜2回受けている
- 呼吸の回数や元気の様子を記録している
よくある質問
腹水は自然に引きますか?
原因の病気が良くならない限り、自然に引くことはほとんどありません。
腹水がたまった犬の食事は?
原因の病気によって違います。塩分を控えた療法食をすすめられることもあるので、獣医師に相談しましょう。
子犬のお腹がふくれているのは?
おなかの虫や食べすぎのこともあります。元気がないときは受診しましょう。
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