犬が吐く原因は?吐いたものの色と回数でわかる様子見と受診の目安
さっきまで元気だった愛犬が急に吐いてしまうと、びっくりしますよね。犬はもともと吐きやすい動物で、食べすぎや空腹で吐くことはよくあります。でも、誤飲や病気が隠れていて、早く動物病院に行ったほうがよいこともあります。この記事では、犬が吐く原因と、吐いたものの色・回数でわかること、家での対処と受診の目安をまとめました。

- 半日に3回以上吐く、水を飲んでもすぐ吐く
- 吐いたあとぐったりしている
- 吐いたものに血が混じる、茶色でうんちのようなにおい
- 吐こうとしても何も出ず、お腹がふくらんでいる
- 異物や中毒のおそれがある物を食べた
- 成犬で1日に2回吐いた
- 吐いて、食欲もない
- 吐くのと下痢が一緒に出ている
- 1回だけ吐いて、そのあと元気も食欲もある
- 空腹の朝に白い泡や黄色い液を少し吐いた
- 草を食べて吐いたあと、けろっとしている
子犬・シニア犬・持病や薬を飲んでいる犬は、上の表より早めに。2回吐いたらその日のうちに受診してください。週に何度もくり返すときは、後半の受診の目安の節にまとめています。
目次
犬が吐く原因は?
犬が吐く原因は、大きく分けると食べ方や空腹による「よくある吐き方」と、病気や誤飲による「心配な吐き方」の2つです。思い当たることを順に確かめてみましょう。
食べすぎ・早食い・食後すぐの運動
ごはんを勢いよく食べたあとや、水をがぶ飲みしたあとに、そのまま吐き出すことがあります。食べてすぐに走ったり遊んだりしたときも吐きやすくなります。吐いたあとも元気で、すぐにけろっとしているなら、心配いらないことが多いです。食後30分〜1時間は、静かに休ませてあげましょう。
空腹(胃液や胆汁を吐く)
朝ごはんの前や、ごはんの間があいたときに、白い泡や黄色い液を吐くことがあります。お腹がすいて胃液や胆汁(消化を助ける黄色い液)がたまり、胃が刺激されるためです。ごはんの回数を1日3回にするなど、空腹の時間を短くすると落ち着くことがあります。
草を食べた・ストレス・乗り物酔い
散歩中に草を食べて吐くのは、よくある行動です。来客や引っ越し、車での移動のあとに吐く子もいます。原因がはっきりしていて、1回で落ち着くなら様子を見てかまいません。
誤飲・中毒
おもちゃのかけら、ひも、果物の種、人の薬などを飲み込むと、何度も吐くことがあります。玉ねぎ・チョコレート・ぶどう・キシリトールなどを食べたときは、吐いていなくても動物病院に電話しましょう。
関連記事犬が誤飲したときの対処法!危ないものの一覧と動物病院に行く前にすること胃腸の病気や、体全体の病気
胃腸炎、すい臓の炎症(膵炎)、腸がつまる病気(腸閉塞)のほか、腎臓や肝臓の病気、熱中症でも吐くことがあります。避妊手術をしていないメスで、発情のあとに吐く・水をたくさん飲むときは、子宮に膿がたまる病気(子宮蓄膿症)のこともあります。家では見分けられないので、くり返すときは検査を受けましょう。
「嘔吐」と「吐き出し」の違い
犬の「吐く」には、じつは2つの種類があります。どちらかで考えられる原因が変わるので、吐いたときの様子をよく見ておきましょう。
| 嘔吐(おうと) | 吐き出し(吐出) | |
|---|---|---|
| 吐く前の様子 | お腹を波打たせ、ゲーゲーと何度かえずく | 前ぶれなく、するっと出る |
| 出てくるもの | 胃で溶けかけたもの、胃液、黄色い液 | ほとんど消化されていないフード。筒の形のことも |
| タイミング | 食後しばらくしてから、空腹のときも | 食べた直後が多い |
| 考えられること | 胃腸の病気、誤飲、中毒、体全体の病気 | 早食い、食道の病気 |
食べてすぐ、未消化のフードを吐き出すことが続くときは、早食いのほかに食道の病気のこともあります。動画を撮っておくと、受診したときに伝えやすくなります。
吐いたものの色でわかること
吐いたものを片づける前に、色と中身を見て、写真を撮っておきましょう。
| 吐いたもの | 考えられること | 目安 |
|---|---|---|
| 透明な液・白い泡(ネバネバも) | 空腹、水の飲みすぎ、胃の不快感が考えられる | 1回で元気なら様子見。くり返すなら受診 |
| 黄色い液(胃液・胆汁) | 空腹が長いことが多い | 朝だけなら様子見。食べないなら受診 |
| 緑色の液 | 胆汁が多いとき。草を食べたあとのことも | 草を食べていなければ受診 |
| 未消化のドッグフード | 早食い、食べすぎ。続くときは食道の病気のことも | 続くなら受診 |
| 茶色(フードの色だけのことも) | うんちのようなにおいなら、腸がつまっていることがある | においがあれば今すぐ受診 |
| 赤い血、こげ茶のつぶ | 胃や食道からの出血が考えられる | 今すぐ受診 |
色だけで決めず、回数と元気・食欲を一緒に見てください。
関連記事犬が白い泡を吐くのはなぜ?空腹が原因のときと病院に行くべきとき様子見していい吐き方と、動物病院に行く吐き方
迷ったときは、吐いたものだけでなく、回数・元気・食欲・水を飲めるかを一緒に見ます。
- 子犬(とくに生後6か月まで)は、元気そうでも2回吐いたらその日のうちに受診。1回でも元気か食欲がなければその日のうちに
- 子犬は体が小さく、脱水や低血糖(血の中の糖が足りなくなる状態)になりやすい。ごはんを抜かずに動物病院へ電話
- シニア犬や持病のある犬も、2回吐いたらその日のうちに相談。腎臓・肝臓・すい臓の病気が隠れていることがあり、週に1〜2回でもくり返すなら一度相談
動物病院に行く目安
- 半日に3回以上吐く、水を飲んでもすぐ吐く
- 吐いたあとぐったりしている、呼んでも反応が弱い
- 吐いたものに血が混じる、茶色でうんちのようなにおいがする
- 吐こうとしても何も出ない、お腹がふくらんで苦しそう(大型犬に多い胃がねじれる病気のおそれ)
- おもちゃのかけらや、玉ねぎ・チョコレート・ぶどう・キシリトールなどを食べた
- 子犬・シニア犬・持病のある犬が2回吐いた。子犬が1回でも吐いて元気か食欲がない
- 避妊手術をしていないメスが、吐いて水をたくさん飲む
- 成犬で1日に2回吐いた、吐いて食欲がない、下痢も出ている
- 週に2〜3回吐くことが2週間以上続く、体重が減ってきた
夜間や休日は、かかりつけか夜間救急の動物病院に電話して指示を聞きましょう。
夜間でも(今すぐ)の項目に当てはまるときは、夜間救急の動物病院に電話しましょう。電話では、何回吐いたか、何を吐いたか、食べた心あたり(何を・いつ・どのくらい)、体重を伝えると話が早く進みます。
普段何でも口にしてしまうのだが、知らない間に誤飲していたようで、夕方になると黄色い液体を吐くことが続いていた。病院でみてもらったら、何か異物が入っていることがわかった。吐く薬を飲んでもでてこなかったため、内視鏡手術をしてとりだすことに成功。ゴム製の破片のようなものを飲み込んでいた。家には見当たらなかったので、おそらく散歩中に飲み込んだものだと思われた。その内視鏡手術で約7万円ほどかかった。
イヌスタグラムの飼い主アンケートより(原文のまま)
犬が吐いたときにまずすること
元気と食欲がある成犬なら、家では次のように様子を見ます。子犬・シニア犬は、ごはんを控える前に動物病院へ相談しましょう。
- 吐いたものを見て写真を撮る色、中身、量、異物が混じっていないかを見ます。犬が吐いたものをまた食べないよう、先に犬を離してから片づけましょう
- 口のまわりと呼吸を見る口の中にものが残っていないか、苦しそうな息をしていないかを確かめます
- 水はひと口ずつ一度にがぶ飲みすると、また吐くことがあります。ひと口ほどあげて30分ほど様子を見て、吐かなければ少しずつ増やします
- 成犬は次のごはんを少なめに2〜3時間あけて、いつもの半分くらいから。子犬はごはんを抜かず、少量を回数多くにするか、先に動物病院へ電話しましょう。持病のある犬も獣医師に確かめてから
- 何回吐いたかメモする時刻、回数、吐いたもの、元気と食欲を書いておくと、受診したときに役立ちます
- 塩水を飲ませる、指を入れて無理に吐かせる
- 人用の吐き気止めや胃腸薬を飲ませる
- 吐いたあとすぐに、おやつや脂っこいものをあげる
無理に吐かせると、のどや食道を傷めたり、吐いたものが気管に入ったりすることがあります。吐かせる処置が必要かどうかは、動物病院で判断してもらいましょう。
吐くのと下痢が一緒に出ているときは、体の水分が一気に失われるので、吐くだけのときより急ぎます。
関連記事犬が下痢をしたときの対処法!原因とうんちの状態でわかる受診の目安吐くのをくり返さないための予防
- 早食いを防ぐ 早食い防止の食器を使う、1回の量を減らして回数を増やす
- 空腹の時間を短くする 朝に黄色い液を吐く子は、寝る前に1日の量の中から少しあげる
- 食後は休ませる ごはんのあと30分〜1時間は、走ったり遊んだりさせない
- 誤飲を防ぐ 床に小物を置かない、散歩中の拾い食いに気をつける
- フードの切り替えはゆっくり 新しいフードは1〜2週間かけて混ぜる
- 暑い日は熱中症に注意 夏の散歩は涼しい時間に。吐くのは熱中症のサインのこともある
ふだんから、どんなときに吐きやすいかを知っておくと、いつもと違う吐き方にすぐ気づけます。
関連記事犬の下痢・嘔吐・便秘のときの見方と、すぐ動物病院に行く目安吐き方を知って、愛犬の体調の変化に早く気づこう
犬が吐くことの多くは、食べ方や空腹が原因で、1回で落ち着きます。でも、何度も吐く、ぐったりする、血や茶色いものが混じる、子犬やシニア犬のときは、早めの受診が安心です。次に愛犬が吐いたら、まず吐いたものの写真を撮り、回数と元気・食欲を見て、この記事の目安と照らし合わせてみてください。
関連記事イヌスタグラムよくある質問
犬が1日に何回吐いたら病院に行くべき?
成犬で元気があっても、1日に2回吐いたら今日か明日に受診しましょう。半日に3回以上吐く、水を飲んでもすぐ吐くときは今すぐです。子犬・シニア犬は2回でその日のうちに受診してください。
犬が黄色い液を吐いてごはんを食べない。様子見でいい?
空腹で黄色い液を吐いただけなら、そのあとごはんを食べることが多いです。吐いて食欲もないときは、成犬でも今日か明日に受診しましょう。
子犬が吐いた。どうすればいい?
子犬は脱水や低血糖になりやすく、感染症のこともあります。1回だけで、そのあと元気に食べるなら様子を見てかまいません。1回でも元気か食欲がない、または2回吐いたらその日のうちに、ぐったりしているなら今すぐ受診しましょう。
犬が吐いたものをまた食べようとする。止めたほうがいい?
フードを吐き出しただけなら大きな問題はないことが多いですが、異物や中毒の物が混じっていることもあります。先に犬を離して、吐いたものを確かめてから片づけましょう。
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