犬と暮らす人の情報ノート
皮膚・目・耳のトラブル

犬の皮膚がんとは?しこりの見分け方と種類・検査と治療の流れ

10月31日更新約5分で読めます

このテーマのまとめ皮膚・目・耳のトラブル

なでていたら、皮膚に小さなしこりを見つけた。犬の皮膚にはできものがよくできますが、なかには皮膚がんもあります。この記事では、犬の皮膚がんの種類、受診したいしこりの特徴、検査と治療の流れ、家でできるチェックの仕方をまとめました。

先に結論
  • 皮膚のしこりが良性かがんかは、見た目やさわった感じでは見分けられない
  • 急に大きくなる、赤くただれる、出血するしこりは早めに受診する
  • 皮膚がんは見つけやすいがん。早く見つけて取れば、治りやすいものも多い
すぐ動物病院へ
  • しこりが数日から数週間で急に大きくなった
  • しこりから出血する、ただれて治らない
  • しこりと一緒に、元気や食欲がない
今日か明日に受診
  • 新しいしこりを見つけた
  • 爪の根元や口の中、まぶたに黒いできもの
  • しこりを気にしてなめる、かく
家で様子を見てよいことが多い
  • 何年も大きさが変わらない、やわらかいしこり(それでも一度は診てもらう)
目次
  1. 犬の皮膚がんとはどんな病気?
  2. 犬に多い皮膚がんの種類
  3. 受診したいしこりの特徴
  4. 動物病院での検査と治療の流れ
  5. 家でできる皮膚チェックの仕方
  6. 皮膚がんを防ぐためにできること

犬の皮膚がんとはどんな病気?

皮膚がんは、皮膚やその下にできる腫瘍のうち、まわりに広がったり、ほかの場所へ転移したりする悪性のものです。犬はシニア期になると、皮膚にしこりができることが増えます。その多くは良性ですが、一部はがんです。

皮膚は全身にあるので、背中やおなかだけでなく、足先、爪の根元、口のまわり、まぶた、肛門のまわりにもできます。毛の長い犬は見つけにくいので、さわって確かめることが大切です。

関連記事犬のできものは大丈夫?しこりの種類と見分け方、病院に行く目安

犬に多い皮膚がんの種類

種類できやすい場所特徴
肥満細胞腫体、足、どこにでも犬の皮膚がんで多い。見た目がいろいろで、赤く腫れたり大きさが変わったりする
扁平上皮がん鼻先、唇、爪の根元、おなかただれや治らない傷のように見える
メラノーマ(悪性黒色腫)口の中、爪の根元、唇黒っぽいことが多い。口と爪の根元のものは悪性になりやすい
軟部組織肉腫皮膚の下硬く、まわりにくっついて動きにくいしこり
肛門周囲腺がん肛門のまわり硬いしこり。良性の肛門周囲腺腫と見分けが必要

一方で、脂肪腫、イボ(乳頭腫)、若い犬にできる組織球腫など、良性のできものもたくさんあります。良性か悪性かは、検査をしないと決められません。

関連記事犬の脂肪腫とは?やわらかいしこりの見分け方と手術が必要なとき関連記事犬のイボは取るべき?原因と良性・悪性の見分け方、家での対処

受診したいしこりの特徴

ひとつでも当てはまるときは、早めに動物病院で診てもらいましょう。当てはまらなくても、新しいしこりを見つけたら一度は調べてもらうと安心です。

すぐ動物病院に行きたいサイン
  • しこりが急に大きくなり、赤く腫れている
  • しこりから出血が止まらない、ただれて広がる
  • しこりと一緒に、食欲がない、吐く、ぐったりしている
  • 口の中のできもので、よだれに血が混じる、食べにくそう

動物病院での検査と治療の流れ

  1. さわって確かめる大きさ、硬さ、動くかどうか、場所を診る
  2. 細い針で細胞をとる多くは麻酔なしでできる。肥満細胞腫などはこれでわかることも多い
  3. 組織をとって詳しく調べる必要なら一部か全部を切り取り、がんの種類と悪性度を調べる
  4. 広がりを調べるレントゲンや超音波で、転移していないか確かめる
  5. 治療を決める手術、放射線、抗がん剤、痛みをやわらげるケアから選ぶ

皮膚がんは、まわりの組織ごと大きめに切り取る手術が治療の中心です。小さいうちに取るほど、傷も負担も小さくすみます。取りきれない場所や悪性度が高い場合は、放射線や抗がん剤を組み合わせることもあります。

治療には体と費用の負担があります。年齢や体力、家族の考えも伝えて、獣医師と一緒に決めましょう。治療のあとも、再発や新しいしこりがないか定期的に確かめます。

家でできる皮膚チェックの仕方

皮膚がんは、飼い主が最初に見つけることが多い病気です。月に1回は、全身をさわって確かめる習慣をつけましょう。

  1. 頭から順にさわる顔、耳、首、背中、おなか、足、しっぽの順に、指の腹で軽くなでる
  2. 見えにくい所も見る口の中、歯ぐき、爪の根元、肉球の間、まぶた、肛門のまわり
  3. 見つけたら記録する場所、大きさ(硬貨と比べる)、日付をメモし、スマホで写真を撮る
ポイント
  • ブラッシングやシャンプーのときがチェックのよい機会
  • 写真と記録があると、大きくなっているかを獣医師が判断しやすい

皮膚がんを防ぐためにできること

皮膚がんを確実に防ぐ方法はありません。だからこそ、早く見つけることがいちばんの対策です。そのうえで、次のことも役立ちます。

関連記事犬の皮膚・目・耳のトラブル一覧!かゆみや赤み、目やにの原因

よくある質問

犬の皮膚がんは治りますか?

種類と見つけた時期によります。小さいうちに手術で取りきれれば、治るものも多いです。

しこりが痛くなさそうなら様子を見てよい?

痛みのないがんも多いです。痛がらなくても、新しいしこりは一度診てもらいましょう。

針の検査は痛いですか?

細い針を刺して細胞をとるだけなので、多くの犬は麻酔なしで受けられます。

若い犬にも皮膚がんはできますか?

シニア犬に多いですが、若い犬にもできることがあります。年齢で決めつけずに調べましょう。

あわせて読みたい

ほかのテーマを読む