犬の脂肪腫とは?やわらかいしこりの見分け方と手術が必要なとき
愛犬をなでていて、皮膚の下にぷにっとしたしこりを見つけると不安になります。中年以降の犬によく見られるのが脂肪腫です。この記事では、犬の脂肪腫の特徴と、悪性の腫瘍との見分け方、検査と治療、家でできるボディチェックをまとめました。
- 脂肪腫は皮膚の下にできる脂肪のかたまり。多くは良性で、ゆっくり大きくなる
- さわっただけでは悪性かどうかわからない。新しいしこりは一度、針の検査を受ける
- 小さく変化がなければ経過観察が多い。大きくなる、動きにじゃまなときは手術を考える
- しこりが数週間で急に大きくなった
- かたい、動かない、出血やただれがある
- しこりの近くの足をかばう、元気や食欲がない
- 新しいしこりを見つけた
- 前からあるしこりの形やかたさが変わった
- 検査で脂肪腫とわかっていて、大きさが変わらない
犬の脂肪腫とは?
犬の脂肪腫は、皮膚の下にできる脂肪細胞のかたまりです。良性の腫瘍で、ほかの場所に転移することはありません。
胸、おなか、わきの下、太ももの付け根などにできやすく、大きさは1cmほどから、ときにはこぶし大まで育つこともあります。いくつも同時にできる犬もいます。
- できやすい年齢 7〜8歳ごろからの中高齢に多い
- できやすい犬 ラブラドール・レトリーバー、ミニチュア・シュナウザー、ダックスフンド、太り気味の犬
- 原因 はっきりわかっていない。体質、年齢、肥満が関係するといわれる
脂肪腫のさわり心地と種類
脂肪腫は、さわるとやわらかく、皮膚の下でつるっと動くことが多いです。痛みはほとんどありません。
| 種類 | できる場所 | 特徴 |
|---|---|---|
| 皮下脂肪腫 | 皮膚と筋肉のあいだ | いちばん多い。やわらかくよく動く |
| 筋間脂肪腫 | 筋肉と筋肉のあいだ | かたく感じ、動きにくい。足の付け根に多い |
| 浸潤性脂肪腫 | 筋肉の中にしみこむ | 良性だが取りきりにくく、再発しやすい |
悪性の腫瘍との見分け方
脂肪腫とそっくりな見た目で、肥満細胞腫や脂肪肉腫といった悪性の腫瘍があります。とくに肥満細胞腫はやわらかいこともあり、さわっただけでは区別できません。
| 気にしたい点 | 脂肪腫に多い | 悪性を疑う |
|---|---|---|
| 大きくなる速さ | 数か月から年単位でゆっくり | 数週間で目に見えて大きくなる |
| かたさ | やわらかい | かたい、でこぼこしている |
| 動くか | 皮膚の下でよく動く | 下の組織にくっついて動かない |
| 表面 | 毛が生えた普通の皮膚 | 赤い、ただれ、出血、毛が抜ける |
この表はあくまで目安です。新しいしこりを見つけたら、一度は動物病院で検査を受けましょう。
- しこりが短いあいだに大きくなった
- かたい、動かない、表面がただれている、出血している
- 大きさが日によって変わる、赤く腫れる
- しこりの近くの足を引きずる、元気や食欲が落ちた
動物病院での検査と治療
- さわって確かめる大きさ、かたさ、動くかを見る
- 針の検査(細胞診)細い針でしこりの細胞をとり、顕微鏡で見る。麻酔なしでできることが多い
- 画像の検査大きいときや筋肉の間にあるときは、エコーやCTで広がりを見る
- 治療を決める経過観察か手術かを、場所や大きさから相談する
検査で脂肪腫とわかり、小さくて生活にじゃまにならないなら、経過観察になることが多いです。次のようなときは手術で取ることを考えます。
- どんどん大きくなっている
- わきの下や足の付け根にあり、歩きにくそう
- 筋間脂肪腫や浸潤性脂肪腫
- 針の検査で、はっきりしない結果が出た
手術は全身麻酔で行うため、年齢や心臓・腎臓の状態も見て決めます。小さいうちのほうが体への負担も費用も少なく済みます。費用は病院や大きさで大きく変わるので、事前に見積もりを聞いておきましょう。
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脂肪腫は予防法がはっきりしていません。いちばん役に立つのは、月に1回、全身をなでてしこりを探すことです。
- 首、わきの下、胸、おなか、内もも、しっぽの付け根を手のひらでなでる
- しこりを見つけたら、場所を体の図にメモする
- 大きさを定規で測り、写真を撮る
- 1か月後に同じ所を測って、大きさを比べる
- 太り気味だと、しこりに気づきにくい。体重を適正に保つことも早く見つけることにつながる
脂肪腫とつきあうときの心がまえ
脂肪腫と診断されても、多くの犬はふだんどおり暮らせます。ただ、脂肪腫がある犬は別の場所にまた新しいしこりができることもあります。「前のと同じだろう」と決めつけず、新しいしこりはそのつど検査してもらいましょう。
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犬の脂肪腫は自然に消える?
自然になくなることはほとんどありません。小さく変化がなければ、そのまま様子を見ることが多いです。
脂肪腫は痛い?
ほとんど痛みはありません。場所によっては、歩くときにじゃまになったり、こすれて気にしたりすることがあります。
ダイエットで脂肪腫は小さくなる?
脂肪腫そのものは小さくなりにくいです。ただ体重を整えるとしこりに気づきやすくなります。
高齢犬でも手術できる?
体の状態しだいです。検査で麻酔に耐えられるか確かめ、獣医師とよく相談して決めましょう。
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